シャントを作る事による心機能への影響はどうか?
いつも透析導入の時に長期留置型カフ付きカテーテルにするかシャントを作るか、心機能を見て考えることが多いです。
明確な指標は無く、心不全を繰り返している方、重度の弁膜症がある方、拡張能障害がある方などはシャントを作るのに注意が必要だと思いながら年齢やADLを見て決定しています。
良い論文は無いかと探してみたのですがなかなか難しい。。
シャントを作る→心機能や生命予後がどうなるかという研究ではなく、シャントを閉じる→心機能がどう改善するかという研究で調べたかったものと少し方向は違いますが読んでみました。
https://www.ahajournals.org/doi/full/10.1161/CIRCULATIONAHA.118.038505
この論文は腎移植後にシャントを閉鎖した患者とそうでない患者の左室心筋重量や心機能を見たRCTです。シャント閉鎖群の方が左室心筋重量の低下、proBNP低下が見られたというものでした。
この結果からシャント作成による心機能低下や生命予後がどうかという事は議論する事はできませんが、やはり一定の影響はあるんでしょうね。まぁ当然といえば当然ですが。
シャント作成前に何か指標が欲しいところです。。。
後、個人的には腎移植後にシャントがそのまま残っている人も多いので、閉鎖することも考えてみようと思いました。